自分に出来ることを

クルマは購入してからがお付き合いの始まり。
以前この課題解決事例でも、そうお話をしました。
だからこそ、営業スタッフが決め手で「この人から買いたい」と思うお客様も多くいらっしゃいます。
しかしながら、営業スタッフにしか課題解決が出来ないわけではないのです。

今回活躍するのは、営業スタッフではありません。
しかし、店舗スタッフの寄り添った提案により、固まった考えを解決できた事例です。
お客様のために、自分に出来ることを追求した結果とは。

最終回は今から半年後。

決断が近づいてきている中での来店でしたが、ここでアクシデントが。

お店の来店が多すぎたのです。

この日は土曜日の午前中。お店に最もお客様が多い時間帯でした。

営業スタッフは来店したお客様と商談中。
ろくに話せず、点検を一人で待つことに。

そこに、お店の工場長が現れます。
店長と並ぶ、お店の整備工場の責任者です。
点検の結果、タイヤの溝がすり減っており、タイヤの提案のためでした。

見積りを見たAさん。
工場長から提案されたタイヤは予算オーバーのため、別メーカーでもう少し安いタイヤがないかを尋ねます。

Aさんがそう考えると、工場長はタイヤ交換の提案を辞め、店長を呼びに向かいました。
整備の面で言えば、タイヤ交換をする方が利益になります。

しかしながら、それを提案するだけではお客様のためにはなりません。
状況によっては、クルマを買い替えた方が最適解になるかもしれないからです。

交代した店長。 まずはAさんに買い替えの意思がどれだけあるかを確認します。
実は今から半年前、営業スタッフが最終回の意向について尋ねたときは「まだ乗る」と答えていました。

Aさんにとっては初めての残クレ。クルマを長く乗ることが、Aさんにとっては当たり前のことだと考えているからです。

クルマをすぐに買い替えてしまうのは勿体ない。

Aさんには、そのような考えがあるようでした。

店長は具体的な金額を伝えながら、今後乗り続ける上でかかる費用を伝えていきます。

説明の後、Aさんから出てきたのはそんな言葉でした。
長く乗ることは損すること。悪いことである。
知らず知らずのうちに、Aさんはそんな考えに囚われていたのかもしれません。
5年という、Aさんにとっては短い期間でクルマを買い替えることは、Aさんにとっては罪悪感のある行為でした。

そんな考えを、店長が少しずつ解きほぐしていきます。

Aさんは、デイズルークスの後継機である日産ルークスを試乗。
お母さんやペットも乗せることになるクルマです。
乗り心地は気になりますが、試乗で気に入ることが出来ました。

最終的には、デイズルークスを購入した時と同じ「青色」が決め手になり、翌日クルマの購入に至りました。

営業スタッフは、今回の件をこう語ります。

担当営業がどんな時もお客様を対応できるとは限らない。
突然の来店の場合は休みのこともあるし、突然のクレームに追われているかもしれない。
だからと言って、お店はお客様の最適解を諦めてはいない。

自分に出来ることの積み重ねが、時としてお客様の「より大きな成功」に繋がると信じて。

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