途切れない“ご縁”
忙しく仕事をしている時、お休みに家族と過ごしているとき。
営業から来る連絡は、少しうざったく感じるかもしれませんね。
しかしながら、営業スタッフの連絡は、必ずしも売り込みの連絡とは限りません。
今回のお話しは、お客様と営業スタッフとの間にある“ご縁”のお話。
お客様の引っ越しによって、今にも切れてしまいそうになった縁。
営業スタッフの一本の電話から、その縁が広がっていきます。
Aさんは、野菜の運送会社の元経営者。
野菜の取れる時期により、1年の半分は東三河、もう半分は熊本で仕事を行います。
そんなAさんが日産車に乗ったのは10年ほど前のこと。
実は東愛知日産ではなくモータースでクルマを購入していました。
モータースは地元に根付いた、いわゆる「町のクルマ屋さん」。
我々ディーラーの代わりに、新車を販売することがあります。
その場合は、Aさんとモータースとの間で商談する形になります。
営業マンがモータースと一緒に納車をした際、Aさんに名刺をお渡ししたのが初の顔合わせ。
その後、Aさんがクルマの分からない点を営業マンに相談し、連絡を取り始めたことがきっかけです。
モータースの納車にディーラーの営業がついてきたこと、分からないことにスッと答えてくれることにAさんは感激。

気が付いたら、モータースではなくお店にメンテナンスをお願いするようになっていました。
1年の半分は熊本にいるAさんの仕事の関係上、年に2回ある点検のうち1回は熊本で受ける形になります。
その際も忘れずに連絡をし、こまめなフォローをしていました。
そんな中、Aさんは足を悪くして引退。
営業所のある東三河を離れ、育った町である熊本へ帰ることとなりました。
「住所を教えてくれたら、お住まいの近くの日産を調べますよ!」
話を聞いた営業スタッフはそう答えます。
東愛知日産は東三河に拠点を置く地元ディーラーです。
熊本に移り住むということは、その方とのお付き合いはなくなることを意味します。
Aさんのいる熊本の日産に引き継ぐこと。
それが、営業スタッフの最後の仕事のはずでした。
営業スタッフは、それからも定期的にAさんに連絡を入れたのです。
もちろん、クルマを買ってほしいという目的ではありません。
営業マンがAさんに連絡した理由は2つ。
1つは足のこと。
Aさんが引退する理由になった、足を悪くしたこと。
その状況が悪くなっていないか心配をしたため。
もう1つは、営業マンとしての責任。
Aさんはクルマを買い替えるスパンが短く、数年に一度乗り替えています。
実際、熊本に帰る前にも日産の軽・ルークスを購入しており、販売した営業マンとしての責務を果たしたかったため。
東三河に戻らないAさんに対して、営業マンはそれまでと同じように連絡を続けたのです。

変わらない心遣い。
本日営業マンとAさんとの縁は、その後も切れることはありませんでした。
そんな営業マンのもとに、今度はAさんから連絡が入ります。
「ミニバンを探している人がいる。相談に乗ってやってくれんか。」
Aさんが、営業マンのために声をかけてくれていたのです。
クルマを検討しているのは、Aさんが経営していた運送会社の社員さん。
仕事の都合、野菜の旬の時期は忙しく、仕事が落ち着き次第相談することに。
そして迎えた5月の上旬。
なんとAさんは、熊本からお店まで駆けつけてくれました。
野菜を運搬するため、社員さんも1年の半分は東三河にいません。
そんなスタッフに対してAさんは話します。
「この営業マンなら、遠方にいてもきちんと連絡をしてくれる。
安心して購入できるよ。」

こうして、Aさんが背中を押してくれたこともあり、社員さんは無事セレナを購入。
あの時営業マンがつないだ縁は、途切れることなく他の縁へと広がっていきました。
クルマは買ってからがお付き合いの始まり。そう言うのは簡単です。
しかし、「お付き合いとはなにか」「何をすべきなのか」について深く考えている営業マンは多くはないでしょう。
クルマの購入をきっかけとした「縁」。
この縁を守り、広げてくことこそが、営業マンとお客様の間にある「お付き合い」である。
今回の話は、それを印象付けるものでした。





