「買いますか」「そうですね」
あなたが今乗っているクルマは、どんなきっかけで購入しましたか?
事故や故障がきっかけでクルマを購入する場合、クルマを早く欲しくて検討の時間が短くなりますよね。
今回は、お客様と営業マンの2人でじっくりとタイミングを見定め、購入した例をご紹介。購入を考え始めたのは、なんと前のクルマを納車した「当日」。
どんな方法で、検討を始めたのでしょうか。
Aさんと営業マンが出会ったのは、今から約5年前。
憧れから輸入車に乗っていたものの、「思ってたのと違う」といまいちなAさん。
そんなAさんが日産ディーラーの門を叩くところから始まります。
Aさんに対して、営業マンは残価設定型クレジットローン(以下残クレ)を提案。
残クレはクレジットローンの一種で、クルマの金額のうち一部を「残価」として据え置き、据え置いた残りを毎月支払う方法。
据え置いた残価は、クレジット最終回に支払うか、支払わずにクルマを返却するかを選べます。
返却する場合は通勤や買い物などのために新しいクルマを購入する必要があり、現金支払いのように「一度支払ったら終わり」という訳ではありません。
しかしながら、逆にいえば「定期的にクルマを乗り替えられる」支払い方法。
輸入車がハマらなかったAさんにとっては、ピッタリのものでした。
こうして、エクストレイルを購入したAさん。
納車の際、営業マンから改めて残クレの説明をされます。
Aさんの残クレの支払いは5年間。乗り替えるなら、2回目の車検を受けずにクルマを返却出来る期間です。
「Aさんの残クレの支払いは5年後の0月までです。その際、返却するか、残価を払って乗り続けるかの選択をすることになります。
これから、一緒に考えていきましょうね。」

そう告げた営業マン。
Aさんと営業マンによる、5年後に向けた乗り替えプロジェクトが始まります。
半年ごとにエクストレイルのアフターフォローをしながら、クルマの使い方の変化を聞いていきます。
変化があったのは初回車検のころ。

「クルマを替えようかなと思ってる。」
Aさんは営業マンにそう告げます。
トライアスロンを始めたことでクルマに自転車を積みたいこと、小学生のお子さんとキャンプに行きたいこと。
納車から3年が経ち、少しずつ使い方が固まってきたAさん。
営業マンはキャラバンのカタログを渡しながら、
「下取りと納期のいい時期、僕からご連絡します。」
とAさんの検討を後押しします。
実は残クレの契約途中であっても、クルマの残債を清算することでクルマを乗り替えることが可能です。
ただし、新車購入時の下取りと差し引く形になるため、残債額より下取額のほうが大きくないと損をしてしまうことも。
日産の残クレは半年前からであれば返却が可能であり、こちらであれば損も得もしません。下取りとして清算すべきか、残クレの支払い終了近くに返却すべきか、悩みどころです。
一方でこの時期は、コロナ禍による部品不足のため、クルマの納期が読めない時期でもありました。
納期が遅ければ発注が間に合わず、エクストレイルを返却してもAさんの手元に新車がない、なんてことも。
金額と納期。
二つのリスクを考えながら、営業マンは半年ごとの点検で情報を提供していきます。下取りと残債が釣り合わなかったことで、支払い終了時の返却を提案。
エクストレイルの納車から4年半、返却可能の時期を迎えます。
ついにキャラバンを購入するタイミングが現れました。
営業マンはAさんに連絡。
納期は4ヶ月程度。これなら満期に返却しても、キャラバンが間に合います。
エクストレイルを納車してから4年半。
点検時に購入するタイミングを確認していたことで、検討はスムーズ。
Aさんも、キャラバンを購入する心の準備は出来ています。
「買いますか」
「そうですね」

文字だけ見れば淡泊なフレーズ。
クルマの商談締結で、ここまで簡潔に話がまとまることはありません。
しかしそれは、エクストレイルの納車から5年続いた二人の乗り替えプロジェクトが、
ひとまず成功に終わったことを表すものでした。
今この瞬間の売上ではなく、数年後のお客様の成功を求める営業マン。
そんな営業マンとお客様の乗り替えプロジェクトが、今もお店のどこかで進行しているのかも。