火の鳥  1.黎明期~9.異形編・生命編 [著] 手塚治虫

子供の頃、ふとしたきっかけで「火の鳥」を読んだ。
第1巻は邪馬台国の時代の話。
話が面白くてあっという間に読み終えた。
一つの民族の歴史が終わるのだが、生き残った一家族が次の民族を再生し始める壮大な話。

続いて読んだのは何世紀も未来の地球の話。
火の鳥は過去と未来を行ったり来たりの連作だが、一貫して人類の愚かさと、それを超越する母なる知恵の提示が繰り広げられる。
いつの時代にも戦争があり、栄華を極めた権力者や国家が自壊していく。

第1巻はなんと昭和29年の作。最後は昭和63年まで手塚治虫のライフワークとして続いたのだが、当時にして既に今の時代を予言しているシチュエーションが沢山あることにドキッとさせられる。携帯電話しかり、クローン人間しかり、ITの進化や核戦争etc

手塚治虫は人間の“善性”を信じ、一方で集団としての人類の“愚かさ”を危惧していたんだと思う。

半世紀も前の作品が既に今の時代を見通している。
見通した通りに今の世界は進行している。

果たしてそれが“善性”なる方向なのか、それとも“愚かな”自壊する方向なのか。

もう一度、火の鳥に没頭してみたい、この冬に。
世界が少しでも良くなると信じて。

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