ガイドブックを持たない旅

つい最近まで、旅に出掛ける時は丁寧にリサーチをし、事前に綿密に計画を立てたものでした。普段食べた事のない美味しい料理やお店、旅行ガイドにも乗っていない穴場スポットをどうやって探し出すか、それが旅の主な楽しみだったようです。ところが二年ほど前からスタイルが変わりました。大まかな旅のテーマと行先を決めたら、後は現地に行くだけ――風任せの旅です。膨大な時間を掛け、あれだけ熱心にやっていた事前調査が億劫になってしまいました。
きっかけは宮本輝の「花の降る午後」。神戸とその界隈が魅力的に描かれた作品で、ちょっと行ってみようかということになりました。新幹線でスグなんですよね。新神戸まで。隣町に出掛けるような気持ちで、荷物も持たない旅。小説に出てくる”北野”という地名だけを頼りに、後は出たとこ勝負で歩き回る。気になる路地に迷い込み、看板も出てないお店の扉を開けてみる・・・「お客さん、ガイドブックでうちを知ったんですか?」「いえ、歩いていて美味しそうなオーラが漂ってたんで・・・」「・・・!?」こんなやりとりも四十を越えると楽しめるようになるもんです。
予想外の出会いや期待以上の発見が楽しくて、気がつくとガイドブックも持たずにフラッと出掛ける旅が増えました。

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