いつだって、小さな提案から
押し売りは悪。
それはお客様だけでなく、当社も考えていること。
そのため、営業マンは時に、お客様にクルマを勧めないことがあります。
下取相場の時期があまりに悪い、資金面で苦しい話を聞いた、家族が納得していないなど。
クルマを買うことが「最適解にならない」可能性があるからですね。
しかしながら、最終的に決めるのはお客様。
優れた営業マンは、「提案」という形でお客様がよりよい選択を出来るよう、情報を与え続けています。
今回は、そんな「提案」がクルマの使い方だけではなくお客様の気持ちにとっても「最適解」へとつながったケースをご紹介します。
他県から移住したAさんは、それまでも変わらず日産に乗り続いていただいたそう。
東三河に来てから購入したノートを大事に乗っていました。
そんなAさんは、70を超えるご年齢。
免許の返納を考える年齢に差し掛かります。
年齢を考えると、今のクルマが「最後の台」と考えられるかもしれません。
ノート購入後に担当が変わってからは売り込みらしい売り込みのないまま、点検のためだけにお店に足を運んでいました。
そんな中、2度目の担当変更で転機が訪れます。
お互いの趣味に釣りがあったことで意気投合。話すうちに、Aさんがカーオーディオにこだわりを持っていることが分かります。
「オーラにはBOSEのスピーカーが付いているんですよ。見てみませんか?」

営業マンにとっては何気ない。しかしAさんにとっては久しい、営業マンからの提案。
「東三河は、地域上クルマがなかなか手放せない地域。
Aさんがもしまだクルマを乗るのであれば、最新の安全装備のついているクルマがおススメですよ。
より快適にクルマに乗れると思います。」
そう言った営業マンは、維持費の話をしながら、ノートのクルマの下取金額をプリントして渡します。
今のノートは半年後が車検。
車検にも少なくないお金がかかること、なによりこの時を逃せば実質的にノートが最後の一台になることはお互い感じていたことでしょう。

「歳のこともあるし、
検討するなら電話するよ。」
ともすれば「買わない」ことを暗喩するような、Aさんの返事。
本当に電話が来たのは、それから3か月後のことでした。
営業マンのもとに、Aさんから連絡が入ります。
「オーラを検討したい。いつ来店したらいいか。」
営業マンからの提案を、Aさんは前向きに受け止めてくれていたのでした。
Aさんと営業マンとで日にちを合わせ、2回目の来店日を迎えます。
3ヶ月前までは、オーラどころか新車のことなんて考えてもいなかったAさん。
再査定をし、金額の話を進めるにつれ、オーラヘの乗り替えがだんだんと現実的なものになっていきます。
「もうちょっと値引き出来ない?」
「精一杯頑張ります。」
なんてやり取りをして。
営業マンが値引きを含んだ金額を出したとき、Aさんの答えはひとつでした。
「君からならクルマを買いたい。」

スピーカー、安全装備、維持費。
Aさんが快適にクルマに乗れる要素がオーラには詰まっています。
でもそれ以上に、その提案をしてくれる「営業マン」。
それこそがAさんの決め手でした。
「今まで提案を貰わなかったが、提案を受けて気持ちよかった。
営業マンとしての『仕事』を感じたよ。」
こう伝え、Aさんはオーラの注文書にサインをしたのでした。
あと何年クルマに乗るのか。今のノートを乗り続けるべきなのか。
自分の年齢から来る、ぼんやりとした悩み。
お客様の課題は、はっきり言葉に出来るとは限りません。
そんな課題に対して、不要な忖度をせず「クルマを快適に乗ること」を提案した営業マン。
クルマ選びの最適解は、いつだって小さな提案から。
それを知っているからこそ、営業マンは今日もまたお客様に提案をするのです。