迫りくる電気自動車世代 カーボンニュートラル勝者は誰?

2021年の菅・元総理の「2050年カーボンニュートラル宣言」以降、自動車メーカーがこぞって取り組んでいる「カーボンニュートラル」。

なんとなくの意味は分かっていても、どういう取組をしているのか、わからない人も多いのではないでしょうか。

今回は、カーボンニュートラルという取組についての解説と、自動車メーカーがどんな立場からカーボンニュートラルを実現しようとしているのかお伝えします。


そもそもカーボンニュートラルってなに?

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します  

(引用元:環境省 脱炭素ポータルより抜粋)

簡単にいうと、二酸化炭素がこれ以上増えないようにする取組のことです。

現在私たちは、なにか活動するたびに二酸化炭素を排出しています。

例えば、クルマはガソリンを燃やして走っているため、そのぶんだけ二酸化炭素が排出されます。

家電を動かす際の電気もそうです。日本は電力のほとんどを火力に頼っているため、電気を作る際に二酸化炭素を排出することになります。

石油という化石燃料を使用するものは、二酸化炭素の排出は避けては通れない課題です。

この二酸化炭素は温室効果ガスという、地球温暖化を引き起こす気体のひとつであり、環境に深刻な影響を与えている問題のひとつです。

そこで、温室効果ガスの排出をぎりぎりまで抑えながら、排出されてしまった温室効果ガスを吸収・除去することで、「温室効果ガスをプラスマイナスゼロの状態にする」のがカーボンニュートラルという取組です。

日本ではこの二酸化炭素の排出が多いですが、牧畜の盛んなニュージーランドではウシのゲップから出るメタンが深刻な問題になっており、各国の産業により異なる課題があります。


実現可能なの?

この記事を書くまで、正直筆者は、カーボンニュートラルの実現は難しいと考えていました。

二酸化炭素の排出を減らすことは可能かもしれませんが、吸収、除去は難しいと考えていたからです。

しかしながら、各メーカーの取組を知るうちに、実現も不可能ではないように感じました。

ここでは、日産、トヨタ、ホンダの3つのメーカーが、どのようにカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいるかの紹介をしていきます。

日産:電動化をすることで二酸化炭素排出の低下を実現

発売から12年経過する、実用的な電気自動車「リーフ」を開発した電気自動車のパイオニア。

最近では、軽自動車でありながら100%電気自動車の「サクラ」が登場したことでも話題になりました。

発売から現在に至るまで、バッテリーが原因の火災事故は一件も報告されていないことが、日産のもつ技術の裏付けになっています。

そんな日産はやはり電動化による二酸化炭素の減少を一番に取り組んでいます。

100%電気自動車のバッテリー技術向上はもちろん、e-POWERの「熱効率」の向上を目指しています。

この「熱効率」とは、燃料に対して取り出せるエネルギーのこと。

熱効率が40%なら、100%の燃料中の60%はロスとして捨てていることになります。

発電専用のエンジンを載せたe-POWERであれば、この熱効率を高めることが出来、少ない燃料でより遠くまで行けるようになります。

また、EVの課題である、電気自動車の生産時に多くの二酸化炭素を排出することに対しても取組んでいます。

英国最大規模の自動車工場「サンダーランド工場」の再生可能エネルギーの発電施設を大幅に拡張し、37,000枚の太陽光パネルからなる20MWの発電設備を導入する計画です。

この増設により、風力発電施設と太陽光発電施設と合わせて欧州販売の「日産リーフ」の車両組み立て段階の電力を再生可能エネルギーで賄うことができる見込みです。

日産は、電気自動車を軸に、なるべく二酸化炭素の排出を抑える形でカーボンニュートラルの実現を達成しようとしていますね。

トヨタ:環境技術を「普及」させる

電気一本の日産とは違い、プラグインハイブリッドのプリウス、水素自動車のミライ、100%電気自動車のbZ4Xなどとにかく手広く取り扱っている印象を受けるトヨタ。

それもそのはず、トヨタの掲げる環境技術は「普及してこそ」であるという考えを持っているからです。

例えば、ヨーロッパではすでに風力や太陽光発電といった再生可能エネルギーが普及しており、電気自動車の普及がしやすい環境にあるといえます。

一方、ブラジルでのカーボンニュートラルの取組は「バイオマス燃料」。

バイオマス燃料とは、植物から生産された燃料のことを指します。

石油などの化石燃料とは違い、植物は大きくなる際に二酸化炭素を吸収します。

仮にこの植物を燃やしたとしても、出ていく二酸化炭素はその植物が「吸収した二酸化炭素」であり、新たに二酸化炭素を排出することはありません。プラスマイナスゼロです。

こういった状況であれば、電気自動車よりもバイオマス燃料で走れる自動車のほうがカーボンニュートラルに貢献できるといえるでしょう。

そういった形で、普及をコンセプトに様々な手段をとっているトヨタ。

再生可能エネルギーが少なく、他国に比べ充電設備もまだ普及したての日本で、ハイブリッドを推し進めてきたこともうなずけます。

ホンダ:次世代を救う「あの植物」

最後はホンダ。個人的に最も面白いと感じた取組をしている企業です。

この3企業の中で唯一、二酸化炭素を「吸収」する研究を進めていました。

その大きな役割を果たすのが「藻」。池でよく見かけるあの藻です。

自動車以外にも船や飛行機も手掛けるホンダでは、大型のモビリティを動かすためには電気だけでは足りません。後続距離などの問題から課題が残ります。

そこでホンダは、細胞分裂回数の多い藻を制作し、二酸化炭素の「吸収」を行うことを研究として進めています。

育った藻は先ほどのバイオマス燃料として活用できるほか、サプリメントや食品にも活用ができ、多岐にわたって活用することが可能です。

さらに、大気中の二酸化炭素を濃縮出来る技術も持ち合わせているため、設備さえあれば砂漠や沿岸地域といった普通の作物が育たない地域でも藻を増やすことが出来ます。

増える二酸化炭素を吸収するだけではなく、それを使って緑を増やし、新たな燃料を生み出す。それが可能になれば、カーボンニュートラルは実現可能なのではないかと感じました。

ひょっとしたら将来、藻を原料に動く自動車がホンダから発売されるかもしれませんね。


まとめ

ここまで、各社それぞれ違った立場からカーボンニュートラルを実現させようと取組んでいることが分かりました。

どの企業も「二酸化炭素の排出されている現状」をなんとかしようとしていることが伝わってきますね。

環境問題は深刻なものですが、これからの技術の進歩に期待が持てるような研究内容でした。

クルマを検討する際は、こういった企業取組に目を向けてみてもいいかもしれません。

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